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おやすみシンデレラ

おとぎの世界についての話を書くわけではない。
むしろ、その逆。

治安が悪いと言われるブラジルだから、
テレビを付けてニュースを視ると、毎日何かしらの事件が起こっている。

日本でも「オレオレ詐欺」とかいう変わった名前の犯罪があるけど、
犯罪に造語をつけたがるのは地球の裏側でも同じらしい。

ブラジルに初めて来た旅行者が気を付けたいのが、
Boa noite cinderela(ボア・ノイチ・シンデレラ)
これは、「おやすみシンデレラ」という意味で、いわゆる睡眠薬強盗である。

気さくな人が多いブラジルだけど、道でであったブラジル人と仲良くなって、
飲み物なんか勧められた時は、気を許さずに適当な理由を付けて断るべきだ。
というのも、その飲み物には睡眠薬が入っていることが多く、
そのまま、クラッと来て金品を奪われてしまう可能性が高いからだ。
これを「おやすみシンデレラ」強盗という。

酷い場合は、そのまま誘拐されてしまうことだってありうる。
近年、流行っている誘拐は、sequestro relâmpago(セケストロ・ヘランパゴ)
直訳は、「稲妻誘拐」という意味。
これは、誘拐犯が被害者をATMに連れて行き、預金口座をありったけ引き出させて
おさらばするという手法である。

私の住んでいる町は、ブラジル僻地なので、凶悪犯罪はめったに起こらないので
幸か不幸か、まだ強盗に逢ったことはありません。
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ペルナンブッコ州アラリピーナへの旅

3月29日(金)はキリスト受難日ということで、ブラジルは祝日であった。
カトリック信徒達はこの週をセマナ・サンタ(聖なる週)と呼び、肉食を控える。
セマナ・サンタには実家に帰ったり、旅行したりするブラジル人が多い。

この連休は、友人のサウロが帰省するのについて行くことにした。
サウロの故郷は、アラリピーナという人口8万人ぐらいの小さな町。
ペトロリーナを北上すること260km行った場所にある。
Gesso(ジェッソ)と呼ばれる石膏で有名な町で、家の壁材として利用される。
彼曰く、海外にも輸出しているようで、石膏の生産ではフランスに次ぐ2位であるようだ。

29日(金)の朝出発し、31日(日)の午後に帰ってくる2泊3日の旅。
ペトロリーナよりもさらに田舎ということで、2時間もいたら
帰りたくなってしまうのではないかと心配していたが、
予想を裏切り、人々の温かさに触れる素晴らしい連休となった。



1日目 さわやかな気候と緑の町アラリピーナ

半年前に買って、まだ1500kmしか走っていないシボレーの自家用車を北に向けて走らせる。
両サイドに何もない真っ直ぐの道を100km/hでひた走ること3時間強でアラリピーナに到着する。本当に何もない道が続いているので、誰かが勝手に住み着いても5年は気付かれないだろう、とサウロは言う。気を付けなければならないのは、野良犬、野良ロバが道に飛び出してくるということである。実際、2回ほど飛び出してきた。ロバなんかは車の方に突っ込んでくるから、しっかり距離を置かねばならない。

アラリピーナは標高680kmに位置する丘の多い町である。
年中暑いペトロリーナからくると、天国かと思ってしまうほど、そよ風が心地良い。
連休前に雨が降ったため、緑が多い。
この辺は、普段はペトロリーナのように枯れ木が多いものの、
雨が降ると、ワワワッと緑が繁茂するらしい。
緑が多く、さわやかなそよ風があるだけでも来た甲斐があったというものだ。

サウロの実家に荷物を置いて、彼の幼馴染のサンが住む家を訪問した。
サンの家はのどかな田舎道の奥まった場所にある別荘のような家で、
周りには低木が生い茂っている静かな佇まいである。

サンの家には既に10人くらいが集まっていた。
お祈りをしてから奥さんの手作り料理を頂く。

午後はギターを持ち出してきて、ウンブの木の下で讃美歌を歌った。
枝を大きく広げるウンブの葉が心地良い空間をつくる。


海外で働く会計士の日日

海外で働く会計士の日日


そのうちに、車が1台、2台と到着、さらにはミニバスのようなもので
乗り付ける人も居て、最終的に訪問者は50人くらいに膨れ上がった。
なぜ、そんなに多くの人がサンの家に集まったかと言うと、
彼女の家は最近竣工したばかりで、その日は落成式であったからである。

全員が集まったところで、またお祈りをしようと言うことになった。
男女別に分かれ、女性は頭にヴェールをかぶる。
そして、跪いてお祈りをする。

祈りは、Gloria Deus!(神に栄光あれ)、Bendito Senhor!(主の祝福を)、Aleluia!(ハレルヤ)の言葉から始まる。これにより、聖霊を呼び込むのだ。聖霊は信徒のうちの誰かの心に語りかける。信徒の一人が祈りの言葉を述べる。お祈りの後は、グループの中で、誰か神から語られた人が居なかったか、問いかけが行われる。

その日は、小柄で痩せた青年が手を挙げた。最初こそ、普通に話していたが、次第に顔つきや身振りがみるみると変わり、別人のようになった。彼は、非常に断固とした口調で、説教を始めた。その説教からは権威が感じられ、説得力があり、次第に彼がイエス・キリストのように見える不思議な感覚に陥った。なぜだか分からないけれど、熱い涙があふれてきた。彼は時折、異言を話した。ポルトガル語ではなく、インディオの言葉のようであった。話し終わると、彼は元の柔和な青年に戻った。

夜はRancharia(ハンシャリーア)というアラリピーナから20km離れた場所にある農家でのシュラスコ・パーティーに参加。満点の星に囲まれる中、野外で焼き肉を食べながらブラジル人との交流を深めることが出来た。サウロの家に戻ったのは12時近かった。長い一日だったので、ベッドに横になると、死んだようにぐっすり眠ってしまった。


2日目 ブラジルにおけるインドとブラッド・ピット

遅めに起床した2日目はサウロ宅でランチ・パーティーをやることになった。
食材を買うために車に乗って、スーパー・マーケットまで出かける。
アラリピーナの町はとにかく道が悪く、あちらこちらに穴ぼこだらけだ。
グラウベという青年が、この町は戦争があったんだよと冗談をいうくらい、
とにかく、道路状況が悪く、運転も大変だ。舗装されていない道も多く、
車はあっという間に泥だらけになってしまった。

スーパーのあるセントロへ行く道の両脇には商店街が立ち並び、
4人乗りのバイクや屋台が走る脇を野良犬がわんわん横切る。
この風景、妙に懐かしいなあと感じたけれど、ああ、あれはインドのヴァラナシだったなと思い至る。
スーパー・マーケットや通りを歩いていると、あちこちから
「あら、サウロじゃないの。帰って来てたの?」
「おい、アミーゴ、家に寄って話していけよ。」
と声を掛けられる。それくらい、小さな町なのだ。
こういうのって都会では味わえない、田舎の醍醐味である。

スーパー・マーケットで食材をゲットし、サウロの家に帰って、
彼と協力して料理を作る。
寿司と焼きそばを作ってくれたら、「泣いちゃう」と女の子に言われたので、
是非ともご馳走してあげたかったのであるが、日本人のいないこの田舎で
当然ながら食材が手に入るわけもなく、ラザニアのようなものを作った。
その日はサウロの幼馴染8人くらいが集まって、賑やかなランチとなった。
食後は、中庭に椅子を並べて、おしゃべりをする。
とにかく、ここの人々は、話をするのが好きだ。
日本人のように、長居は禁物と言う感覚はあまりなく、
話し疲れるまで、話し続ける。お蔭で、彼らとも大分仲良くなれた。

その日は、是非ともうちに泊まってくださいと、サンからせがまれたので、
サウロ、グラウベ青年と一緒に彼女の家に泊まることになった。
夜は、サンの家に滞在するメンバー全員でハンシャリーアにある小さな教会へ行った。
礼拝では、初日のパーティーで見かけた顔をちらほら発見した。
礼拝が終わると、珍しい日本人が居るということで、信徒が私の周りに寄ってきた。
質問攻めにあい、握手や写真をせがまれたりと、まるでスターである。
何とか、群衆を切り抜け、サン達の元に辿り着いた。
「まるでブラッド・ピットが来たみたいね」と彼女は言う。
ペトロリーナに来たときには、すごい田舎に来てしまったと思ったものだが、
それを超越する田舎っぷりである。

礼拝の後は、サンの家のベランダで夜まで話をした後、就寝する。
大自然の中にある素朴な小屋であり、蚊の襲来に悩まされながらも
幸せな気分で眠りについた。


海外で働く会計士の日日


3日目 ブラジルにおけるバート・マンローとサンの預言

3日目の朝は少し早めに起きて、アラリピーナの特産であるGesso(ジェッソ:石膏)
の産地を見に行く。田舎の畔道を迷いながらもたどり着いたのは、大きな穴ぼこであった。
立ち入り禁止の標識を無視して中まで入ると、そこには物音の全くない
静けさが神秘的な空間が広がっていた。


海外で働く会計士の日日

これが、Gesso(ジェッソ:石膏)
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サンの家に戻り、朝食を採ってから、日曜日の朝の礼拝に出席した。
ここでも、珍しがられて何人かの人に話しかけられた。
礼拝が終わった後はちょうどランチの時間であり、
ハンシャリーアにあるサウロのおばさんの家にお邪魔する。
おばさんが育てたという鶏の料理は非常においしく、食べ過ぎてしまった。
野菜も自家栽培しているということで、どの料理も本当においしかった。

食後にハンシャリーアの町を歩くと、3分としないうちに、
「サウロじゃないか、寄ってけ!」というおじさん声に呼び止められた。
このビールくさいオイサンには、とっておきがあるらしく、特別に見せてもらった。

とっておきというのは、小型飛行機のことで、
ガレージでシコシコと組み立てているというのだ。
「町の皆は飛ばないと笑うけど、絶対に飛ばせてみせる。」と熱を込めて語る。
オイサンは、飛行機が完成したときのために、サンパウロの飛行機学校に行って、
操縦の仕方を勉強したことについて、写真を交えながら強調する。
ほおっておいたら、一日中でも喋り続けかねない雰囲気だ。
まるで、バート・マンローのようなオイサンである。

中央がオイサン。後ろにはあるのが自慢の飛行機
海外で働く会計士の日日


昼食後は、暫くサンの家でくつろいで、ギターを弾いたり、話をしたりする。
この3日間は退屈どころか、息もつけないような忙しい、充実した連休であった。
日々のストレスも忘れることができ、素朴な信仰を持つ幸せそうな人々に囲まれて、大切なことを学んだように思う。

別れの前に、サンの家族と6人くらいで最後のお祈りをした。
祈りの時間にサンが、私について神から預言をうけたという。
その預言とは次の様なものであった。
「目の前に大きな山が立ちはだかっている。その山にはいばらが生い茂っていて、登ることが困難だけれど、必ず、登りきることができる。」

最近、色々と悩んでいたこともあったので、
その預言には勇気づけられたし、希望を示された気がする。
3日間世話になった人々とは堅い抱擁をし、再会を約して、ペトロリーナへの帰路へ着いた。
まさに、セマナ・サンタにはぴったりの希望をもたらす連休となったのであった。

ハンシャリーアの小さなカテドラル
海外で働く会計士の日日
プロフィール

shingo

Author:shingo
ブラジル、ペルナンブッコ州在住、
三十路男のブログです。

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